仕事終わりは疲れてくたくた。すぐにシャワーだけ浴びてベッドに横になりたい。
その気持ち、よく分かります。
でも、実は、「疲れている時こそアクティブレスト」が良いんです。
アクティブレストって何だろう?と思ったあなた、このまま続けて読んでみてください。
1日のうちの1/3程度の時間を座って過ごしている
「ねえねえ、アクティブレストって知ってる?」「いいや、聞いたことない。」
「疲れてる時に良いらしいよ。」
「へえー。アクティブレストって何?」
アクティブレストとは、日本語では積極的休養と訳されているものになります。
その名のとおり積極的に身体を動かしながら、身体の疲労を取り除いていく疲労回復法のことです。
アクティブレストの他にはネガティブレスト(消極的休養)と呼ばれるものもあり、この2つを簡単に説明すると次のような感じです。
- ●アクティブレスト⇒軽い運動をする。きつくない運動をする。
- ●ネガティブレスト⇒何もしない。じっとする。
アクティブレストとネガティブレストのどちらを選ぶかはその時の状況によって変わります。
それぞれについてもう少し深堀りしていきましょう。
場合によってアクティブレストとネガティブレストを使い分ける
アクティブレストとネガティブレストのどちらを選んだらいいのか、ご説明していきます。アクティブレストを取り入れる場合
アクティブレストは次のような場合に取り入れるといいです。- ◇日中はデスクワーク中心でほとんど身体を動かしていない場合
- ◇あまり身体を動かしていないのに何故か疲れを感じる場合
このような場合は、「脳は疲れているのに身体は疲れていない」ことが多いので、アクティブレストを取り入れることをオススメします。
(何故オススメするのかは後ほどご説明します。)
ネガティブレストを取り入れる場合
ネガティブレストは次のような場合に取り入れるといいです。- ◆仕事や人間関係などで過度なストレスがかかっている場合
- ◆病気やケガなどで身体が動かせない場合
このような場合は、まず「自身の回復に努める」ことが大事なので、ネガティブレストを取り入れてみてください。
アクティブレストを取り入れるワケ
先ほどの補足になります。そもそもの話ですが、疲れてる時にあえて身体を動かして、結果として身体がスッキリする。これが、アクティブレストの醍醐味です。
では、なぜ自分が疲れているのか、身体がスッキリしないのか、ちょっと考えてみてください。
先ほど挙げたデスクワークの場合だと、仕事中に頭は使っているけれど、頻繁に身体を動かしているわけではありませんよね。それなのに、全身疲れている感覚がする。不思議ですよね。
これは、脳のメカニズムに理由があって、脳は疲労を感じると、全身に「疲れた」という指令を送ります。すると、身体も疲れている感覚になるんです。
このとき、自律神経が乱れてしまうと、身体が疲れてないのに疲労が感じやすくなってしまいます。
なので、自律神経を整えてあげることが大切で、血流を良くして身体もリラックスできる軽い運動を取り入れてあげるといいというワケです。
アクティブレストには疲労回復を促す効果がある
「アクティブレストか…。やってみようかな。」「でも本当に意味あるのかな?」
「うーん。そう言われると…。」
「もっとよく知ってからにしたいよね。」
アクティブレストに関して、東京成徳大学の本多麻子准教授は次のように論文で発表されています。
アスリートのみならず,積極的休養は一般の人々においても有効であると報告されてきた。
本研究では,作業課題に伴う自覚疲労に注目し,5分間の休養時に座位でストレッチを行う積極的休養群と開眼座位安静で休養する統制群を設定した。
実験参加者:大学生30名 (平均 21.7±1.2 歳) であった。
積極的休養群15名は,休養時に5種類のストレッチを各1分間座位で実施した。統制群15名は,開眼座位安静で休養した。
作業課題:気泡緩衝材のエアキャップをできるだけ早くかつ正確にひと粒ずつつぶすこととした。
内田クレペリン検査を参考に,エアキャップを横方向にひと粒ずつつぶして,1分毎に改行させた。
質問紙記入後,1回目の作業課題を実施した。課題終了後,質問紙記入を行った。5分間の休養後,質問紙記入を行った。
2回目の作業課題を実施した。課題終了後,質問紙記入,安静時記録を測定後,内観報告を聴取した。
結果:自覚疲労,気分,心拍数の結果から,ストレッチの実施により積極的休息群の覚醒水準は統制群よりも高かった。
積極的休息群はぼやけ感の上昇を抑制し,覚醒水準と快適度を高めたことから,自覚疲労の回復を促進したと考えられる。
パフォーマンスには群による差がなかったものの,統制群と比較して,積極的休息は作業に伴う自覚疲労を促進的に回復させることが明らかとなった。
この論文によると、アクティブレストにあたる積極的休養群は、ネガティブレストにあたる統制群に比べ、エラー率が低下し、自覚疲労が回復する傾向にあることが分かりました。
このことからも、疲労回復としてアクティブレストを取り入れるのは効果がありそうですね。
アクティブレストで行うといい9つの運動
「アクティブレストって効果あるみたいだね。」「じゃあ、私もやってみよう。」
「でも、具体的に何したらいいんだろ?」
「確かにそうだね…」
アクティブレストで大切なことは身体に負担がかからない程度で、やり過ぎないことです。
では、ここからは具体的にどんなアクティブレストを行ったらいいのか、ご紹介していきます。
例を挙げるとするなら、以下に9つ挙げられます。
- ウォーキング
- 軽いランニング
- サイクリング
- ヨガ
- ストレッチ
- 水泳
- クライミング
- 子供と遊ぶ
- ペットと遊ぶ、散歩に行く
意外かもしれませんが、子供と遊んだり、ペットの散歩に行くこともアクティブレストになります。
ただ、何度も言いますが、無理をせず、やり過ぎないことが大事です。
あまり激しい運動をやると、交感神経が刺激され、寝る時間になっても寝れないなんてことになります。
自分のペースで、できることから始めてみてください。
本日のまとめ
この記事では疲れている時こそアクティブレストをテーマに、ご紹介してまいりました。仕事終わり、帰って横になる前に、ちょっとだけ運動を取り入れてみてください。
だんだんと疲れにくくなって、身体がスッキリしてくれるかもしれませんよ。
そうは言っても、自分ではどうしようもできない疲れでお困りのあなたには、専門家の診察をオススメします。
病院や整骨院のプロの目でみてもらうことで、本当の原因が分かるかもしれません。
あなたの疲れが吹き飛んで、快適な生活を送れますように。